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19feet クルーザー
Malts MERMAID 3

DESIGN NO.094
LOA  5.83m
BEAM 2.00m
Draft 1.53m
建造図面を販売しています。
2002年5月7日に堀江謙一氏はサンフランシスコに向け、西宮港を出航した。40年前にパスポート取得をできないまま、密出国を決行した同じ日に、アメリカ合衆国領事の見送りを受けて出航していった。

「古い設計ですが、〈キングフィッシャークラス〉を作りたいのだけれど....」という堀江氏からの電話でこのプロジェクトは始まった。 父・横山晃は40年前に設計した〈キングフィッシャークラス〉の図面を保存していたが、堀江氏がどうしても改良設計したい部分が数カ所あった。
 しかし、その古い設計図を見て、40年の時代の変化を感じざるを得ず、リニューアル設計による「近代化」を提案した。「オリジナルの雰囲気を維持して、全長・最大幅を変えないでやりましょう」という堀江氏の返事で設計はスタートした。
 船体にはオーク材を使用したが、外板はウィスキー樽のリサイクル材を1mmにスライスした薄板をエポキシ接着剤で積層した合板が特別に作られた。
 基本的な設計コンセプトとして、「長距離を楽に・安全に走りきる」ことに主眼をおいた。 装備品も多く木造の艇で重くなるが、「早く目的地に着く」ためにそのハンデをいかに克服するかが性能設計として一つのテーマであった。 またこのような目的の艇は「真剣に操船を続けなくてもまっすぐ走り、操作をすると敏感に反応してくれる」という性格のよい艇であることが大切な要件となる。
 長い水線長や船型の工夫はもちろんのこと、マストやキールの位置などのバランス、重心の低い深いキールによる高い復原力など、総合的な検討が加えられた。 この艇での性能に対するチャレンジは長年培ってきた"性格のよい艇"という目に見えにくい高性能の具体化であった。
 構造・安全面でもいくつもの工夫がされた。 浮力体室もその一つで、ウレタン発泡体が充填され、不沈艇となっている。